風疹を予防するために大事なポイントを紹介!自分と家族を守るために必要なこと【2019年版】
2019年7月31日現在
風疹患者の数は累計2,000人を超えており現在も、東京都、埼玉県、大阪府を中心として患者数が増えています。
風疹のイメージといえば、「子供の頃にかかって、治ればその後一生かからない」なんて方もいるのではないでしょうか。
そのイメージは、半分だけ正解です。
風疹がどのような危険があるのか見ていきましょう。
風疹(風しん)とはどういったものか
風疹は急性の発疹性感染症で、感染力がとても高く症状も軽微なものから入院が必要な重篤なものまで幅が広く、「寝ていれば治る」と軽く扱うには危険性が高い感染症です。
もともと風疹は乳幼児に発症しやすいものとされていましたが、最近は年齢層や性別などは特に関係なく感染し、発症するものと考えられています。
風疹の流行は平成初期までほぼ5年ごとにありましたが、平成6年以降はあまり目立ったものはなく、局地的な流行があり国が調査し対策をとることで国内での風疹の流行は抑えられました。
しかし、平成23年以降は海外から風疹のウイルスをもらい、日本に帰ってきてから発症する事例が目立つようになり再び風疹が流行り始めます。
平成20年〜平成25年は風疹患者が最も多い時期と言われており、14,334例の報告がされるほどです。
現在も今年だけで2,000人以上の風疹患者が報告されているので、今後も恐らく患者数は増えていくでしょう。
風疹が体に入り込んだら
風疹はウイル性の感染症のため、口や鼻などの気道から入り込み粘膜やリンパ節に付着することで増殖します。
体に入り込むとすぐに症状が現われることはなく、約2週間ほど体内に潜伏した後に症状が現れます。
このとき他人に感染するのは発症し始めてからではなく、体内に入って1週間後から感染するので、知らず知らずのうちにウイルスを拡散してしまうことがあるのです。
また妊娠中の女性は風疹が感染したら胎児にまで影響するので、感染には気をつけなければいけません。
風疹の症状はどのようなものがあるのか
風疹の初期症状は微熱、倦怠感、見られその後に発熱、関節炎、発疹、リンパ節の腫れといった症状が現われます。
発疹は身体中に小さなブツブツとしたもが現れますが、数日で後が残ることなく消失するので心配ありません。
感染力は初期症状〜発疹が現われるまでの期間が1番強く、もし風疹だということが判明したときは他者との接触を極力避けるようにしましょう。
幼児期の風疹は症状が軽微なものが多く、安静にしていれば回復し風疹に対しての抗体も作られます。成人が風疹に感染した場合、回復するまでにしばらく時間がかかり、まれに合併症を引き起こしてしまうことがあります。
風疹によって引き起こされる合併症は、血小板減少性紫斑病、急性脳炎などがあげられます。
どちらも危険な状態に陥ることがあるので、合併症を引き起こさない内に病院で診察を行いましょう。
そして女性、特に妊婦や妊娠予定ある方は風疹には注意してください。
お腹に胎児がいる状態で風疹に感染してしまうと、ウイルスが胎児にも入り込んでしまい「先天性風疹症候群」というものになってしまいます。
自分だけでなく、お腹の中の胎児を守るためにも、風疹をあらかじめ予防することはとても重要となるのです。
先天性風疹症候群の症状
妊娠初期から20週までに妊婦の方が風疹に感染してしまうと、胎児が「先天性風疹症候群」になってしまう危険性が高まります。
先天性風疹症候群の症状は
難聴、白内障、心疾患、精神や身体の遅れ等の障害
これらのリスクを持つ子供が生まれてくる可能性があります。
特に、妊娠12週までに風疹に感染した妊婦の子供は、先天性風疹症候群になりやすいという報告もあるので気をつけましょう。
風疹の流行時期はいつか
風疹の流行時期は春先〜初夏の頃にかけて、風疹患者が多く見られるようになります。
近年では首都圏を中心として、東京都では736人と最も多い風疹患者がいます。
また、この増加傾向は今年に入って急激に伸びたのではなく、昨年の中頃から徐々に患者数を伸ばし始めて今の状況に繋がります。
2000年以降患者数が最も多いのが2013年ですが、その前年の2012年も患者数は多く発生しており現在の状況と似たような形になっていました。
これからも増加するかもしれないので、人混みなどは特に注意しましょう。
風疹の感染経路を知ろう
風疹は、ウイルスが喉や鼻から入り込み体内で増殖することにより起こるため、主な感染経路は咳やクシャミなどによる「飛沫感染」です。
空気中に漂っているウイルスを吸い込まないためには、マスクなどで予防しましょう。
飛沫感染以外には、ウイルスが付着した場所を触った手で口や鼻を触ることで感染する「接触感染」も考えられます。
また、海外旅行中に風疹に感染し日本に持ち帰って発症、その後二次感染的に広がるケースもあります。
アメリカやヨーロッパ地域は風疹根絶を目標として掲げており、その他にも世界130カ国以上で風疹のワクチンが普及されている状態です。しかし、一部アフリカやアジア地域でワクチンの普及が遅れている地域も存在します。
アジア諸国は2015年に定期摂取導入が行われている地域もありますが、まだ完全とは言えないため、旅行時は旅行先の国が風疹に対してどのような対応をしているのか調べてみてはいかがでしょうか。
風疹にかかる前かかった後
風疹に感染しないために行うべきこと、感染したとしてもきちんと対処するにはどうすればいいのか確認しましょう。
会社や学校など身近な人、妊娠している方へ最大限広めないためにも先に知っておくことは大切です。
風疹の予防方法
繰り返し言いますが、風疹は感染力の高い感染症です。
そんな風疹を防ぐためには予防接種をすることにより、体内に抗体を作ることで防ぐことが可能です。1回だけでなく、2回受けるとより風疹を予防できると言われています。
しかし、妊娠中もしくは妊娠予定のある方は予防接種を受けることができません。
予防接種は、毒性を弱めたウイルスを体内に入れることによりウイルスに対して抗体を作りますが、そのウイルスが胎児に侵入してしまうことにより、先天性風疹症候群を起こす可能性があります。
また、予防接種後に妊娠を予定している方は、最低でも1〜2ヵ月以上期間を空けて妊娠することが望ましいと言われています。
今まで風疹の予防接種をしたことがなく、体に抗体を持っていないがすでに妊娠しているという方は、なるべく人混みを避けるようにしてください。そして、家族の方は予防接種をし風疹に対して抗体を持っておきましょう。
風疹の治療方法
風疹に対しての抗ウイルス薬というものはなく、合併症が見られなければ症状を緩和する対症療法がとられます。
発熱や関節炎などは解熱鎮痛剤など、風邪症状と同じ対策です。
まれに急性脳炎など合併症が現れる場合がありますが、そのときは医師に看てもらい適切な治療を行いましょう。
なるべく早めに行動することが重要です。
風疹になった場合の取り扱い
風疹はとても感染力が強く、1人が感染したら5〜7人に拡散してしまうと言われているほどです。
そのため、風疹は学校感染症の第2種に指定されており、発疹が体から消えるまでの間は登校が禁止と指定されています。
まれに発疹の色素が沈着してしまい、肌に残ってしまうこともありますが、その場合は登校しても問題はありません。
社会人の場合、それぞれの企業で指定されている対策法にのっとり対処を行いましょう。
男性の風疹に関して
風疹は男女問わず感染するため、全ての方が予防接種を行い風疹に対して抗体をもつべきものです。
しかし、全ての年代で90%以上の抗体保有率を持つ女性と比べ、男性は風疹に対しての抗体の保有率が80%ほどと10%ほどの差が出てきております。
こうなってしまうと、知らず知らずの内に身近な女性や妊婦にうつしてしまう恐れがあり、先天性風疹症候群を起こしてしまう可能性が高まります。
国は2020年には男性の抗体保有率を90%にしようと画策しているので、身近に予防接種を受けたことがないと言っている方がいたら、ぜひ風疹の予防接種を勧めてください。
また風疹は大人になってから発症すると完治まで長引いてしまうため、なるべく早めに予防接種を行うことは自分のためにもなります。
女性と同じく、男性も予防接種を行なった際には2ヵ月は避妊を行い、先天性風疹症候群のリスクを避けるようにしましょう。
風疹に関してよくある質問
風疹に対して、よくある質問をいくつかピックアップして紹介させていただきます。
1.先天性風疹症候群になりやすいのはどんなとき?
妊娠中、特に妊娠12週までに風疹に感染してしまうと可能性が高くなります。
2.予防接種を受けられる場所はどこ?
お近くの医療機関に確認しましょう。
全ての場所で予防接種が受けられるとは限りません。お近くの医療機関に電話し、条件によっては無料で受けられる場合があるので確認しましょう。
3.予防接種を行なったら、その影響で周りに感染することはある?
予防接種はウイルスの毒性を弱めたものを使用するので、他人へ感染する心配はありません。ただし、妊婦の方は胎児に影響があるため予防接種は行えません。
4.子供の頃風疹にかかったら、予防接種の必要はない?
風疹にかかった場合でも予防接種を受けることをおすすめします
子供の頃に風疹になったという方も、調べてみたら抗体が存在しないということもあります。これは、重い熱を風疹と記憶違いをしていたりするのが原因です。
一生の内2回は風疹の予防接種を行いましょう。
5.予防接種に副作用はある?
ほとんどの場合ありません。まれにショック症状、アナフィラキシー様症状、じんましん、急性血小板減少性紫斑病がみられます。
6.予防接種の費用は?
自治体にもよりますが、1万円以下のところがほとんどです。
自治体が特定の年代に無料でチケットなどを配布していることもあるので調べてみましょう。
7.予防接種をしたら100%風疹にかからなくなる?
100%ではありません。
予防接種を行うと感染のリスクを抑えられ、2回予防接種をすると99%抑えられると言われています。
8.風疹ウイルスは除菌・殺菌・消毒できるの?
風疹ウイルスは除菌剤に弱くエタノールや次亜塩素酸ナトリウムを含んだ製品を使用することで除菌ができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
風疹とはどういったものなのか、自分だけではなく周りやこれから生まれてくる子供に対しても、大きな影響のある病気というものが分かっていただけたかと思います。
早めに予防接種を行い、風疹に対しての抗体を持っておくことが重要です。
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