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沖縄で流行中のアデノウイルウスとは?

沖縄県では、他都道府県とは違う特色の気候や生活習慣があります。
感染症も同じく、他の生活地域とは違った感染症が流行りやすいため、どのようなものが現在流行しているのか、注意しなくてはいけません。
2023年11月現在、沖縄県内で流行しているのは「アデノウイルス」と「インフルエンザ」です。
今回は「アデノウイルス」について見ていきたいと思います。

アデノウイルスとはどのような感染症?

アデノウイルスは
発熱、鼻炎、下痢、嘔吐などを引き起こす感染症で、一見ただの風邪のような症状に思えますが、実際には他にも様々な症状を引き起こす場合も考えられます。
また、感染力も非常に強いため一人から多くの方々への感染も考えられます。

呼吸器感染症

鼻炎、咽頭炎、扁桃炎などを引き起こし喉の腫れ(炎症)をを引き起こす症状を指します。
喉の痛みを訴えることが多いですが、肺炎などを引き起こす可能性も秘めており、重症になることも考えられます。
乳幼児が感染すると、髄膜炎、脳炎、心筋炎などを併発してしまう可能性もあるので感染には注意しましょう。

咽頭結膜炎(プール熱)

両目または片目の充血、目やにが出る症状で、プールを介して流行することがあったため、夏に流行が多く「プール熱」と呼ばれることもある。
充血や目やにだけでなく、37~40度の微熱~高熱を1日の間に繰り返し、それが4~5日ほど続きます。
喉の痛みやリンパ節の腫れ、腹痛や下痢といった症状も合わせて出てくることもあります。

流行性角結膜炎

「はやり目」とも呼ばれているアデノウイルスの症状で、目やに、まぶたの腫れ、結膜のむくみ、充血といった症状がみられます。
子供に多く症状が見られますが、大人も同じく症状が現れる可能性があるため、家庭内感染で全員に広がる可能性もあります。
症状じたいは数週間で治りますが、学校や会社への出席・出勤は不可となり、医師と相談の上他人への感染がないと判断したのちに出席・出勤と良いでしょう。

胃腸炎

子供に多く見られる症状で、下痢、嘔吐、吐き気、微熱、腹痛といった胃腸炎の症状が見られます。
潜伏期間は3~10日程度あり、感染者の便等を介して感染が拡大する可能性があります。乳幼児の便を処理するときなどは、処理後に手洗いをしっかりと欠かさないよう気をつけてください。
中途半端にしてしまうと、家の中の手すりやドアノブなど、日常的に手に触れる場所から家族に感染してしまいます。

出血性膀胱炎

膀胱に感染すると、痛みを感じ出血を伴う排尿を行います。また尿意が頻繁におこるようにないます。症状は2~3程度続きます。
血尿は10日程度で改善していきます。

感染経路

アデノウイルスは非常に感染力が高く、主な感染経路は口や鼻、喉からの粘膜によって感染します。
目やにや便からも感染する可能性があるので、タオルの共有や患者にトイレ使用後は便座の除菌、日常的に触れる場所はあらかじめ除菌するなどの対策が必要です。

対処・予防

アデノウイルスに対する特効薬やワクチンは現在ございません。そのため、解熱剤の投与など対症療法が主な治療豊富となります。免疫力が回復していくと自然と治りますが、1~2週間は症状が続きます。
発熱している期間が長く、また下痢を引き起こす症状もあるため脱水症状にならないように、水分補給を欠かさないように注意しましょう。
症状が治っても、体内にウイルスがいる状態が続くため、最低でも数日は学校・会社をお休みしてください。心配であれば医師と相談しましょう。
アデノウイルスは目や口などの粘膜から感染するため、人混みに入らない、無闇に目を触らない、手洗いうがいを行い、免疫力を下げないような生活習慣が必要です。

アデノウイルスは子供の病気?

アデノウイルスは子供がよくかかる病気、と聞かれることが多々あります。これはプール熱という症状がひと昔前は子供に多く現れていました。これは、塩素消毒が不十分なプールに入ることにより、粘膜感染を引き起こしていたからとされています。現在は塩素消毒管理が徹底されているため、プールでの感染は減りました。
こういった以前の印象から、子供の病気と思われる方も多いのですが、条件が合えば大人も十分に感染する危険性があります。
感染を起こさないように、十分気をつけて対策をしましょう。

よくある質問

アデノウイルスに関して、よく聞かれる質問を3つにまとめてみました。

こどもが感染したら学校はお休みさせるべき?

咽頭結膜炎(プール熱)と流行性角結膜炎(はやり目)は、まず必ず学校をお休みにさせてください。咽頭結膜炎は症状が治ってから2~3日。流行性角結膜炎は、医師の許可がおりるまで待機する必要があります。

何回も感染してしまう理由は?

多くの病気の場合、一度感染すると体内で免疫ができ次は感染しても問題ないことがありますが、アデノウイルスの場合は複数の型を持っているため、一度感染しても次回別の型のアデノウイルスに感染してしまったら繰り返し感染してしまうことになります。

夏の時期に流行すると聞いていたが、なぜ今の時期に流行している?

沖縄県では11月現在、アデノウイルスが流行中となっています。全国的にですが、流行するウイルス状況がコロナ前と変化しているとされ、過去10年で最も感染数が増加していると言われています。
以前とは感染のパターンも変化しているようで、医療機関もこの状況に対応しているようですが、まずは感染しなような生活と、免疫をつけることが重要とされています。

感染を収束させるために

感染を収束させるためには、各々の感染対策が必要となります。人混みに行かないようにしたり、帰ってきたら手洗いうがい、あとは家の中を清潔に保つようにして、ウイルスから身を守るようにしましょう。