サル痘とはどんなもの?症状と感染経路の実態

サル痘というものをご存知でしょうか。
こちらの感染症は、中央アフリカから西アフリカにかけて流行しているものでしたが、2022年7月より日本国内でも感染患者が確認できるようになりました。
なぜ日本国内で確認されたのか、どのような症状があるのか見ていきましょう。

サル痘とは?

サル痘の原因であるウイルスは、1958年に研究用に飼育されていたサルの集団で、初めて確認されたことに由来しています。
ウイルスはサルだけではなく、ヒト、ウサギ等のげっ歯類にも感染し、サル痘が常在している地域では、サルよりもげっ歯類がウイルスを保有しています。
ヒトに初めて感染したのは、1970年に報告されたものが初です。

サル痘の症状は?

サル痘の潜伏期間は通常で6~13日、最大で5~21日間も潜伏期間があるとされています。
発症後は発熱、頭痛、リンパ節の腫脹、筋肉痛等が現れ、発熱の1~3日後に発疹が見られます。
ほとんどの場合自然回復しますが、子供や持病を持っている等健康状態により、合併症を引き起こす可能性もあります。
発熱は38.5度以上になることもあり、医療機関は患者がサル痘に感染していると疑いがある場合、保健所に届け出る必要があります。

サル痘の感染経路は?

サル痘の感染経路は
動物→ヒト、もしくはヒト→ヒトの感染が考えられます。
動物からの感染の場合、動物との接触、噛まれる、野生動物の肉の調理・加熱が不十分のまま食べる等の理由があげられます。
ヒトからの感染は、感染患者の体液・血液の接触、性的な接触(口・肛門・性器)、飛沫による感染が考えられます。性的な接触でなくとも、同一の寝具・タオル等を使用した場合も、感染されることが考えられます。

サル痘の治療・予防法について

サル痘の予防方法については、天然痘ワクチンが有効とされています。また、渡航された先がサル痘の流行地である場合、野生動物との接触は避けた方が良いでしょう。
治療に関しては、治療薬や特効薬があるわけではないため、対症療法が行われる。
欧州ではテコビリマットという天然痘のために開発された、抗ウイルス薬が使用されています。日本国内でも同薬を用いて、特定臨床研究が行われています。

サル痘は除菌することはできるのか

サル痘はエンベロープウイルスというものに属され、ウイルス自体がタンパク質の膜を持つウイルスとなっています。
このエンベロープウイルスは、アルコールや次亜塩素酸による消毒・除菌が有効となっており、感染を予防するためには手洗いの後にアルコール消毒、物品に対しては次亜塩素酸による除菌が有効とされています。
また、空気感染を引き起こす可能性があると指摘されているため、換気の徹底を行うと良いでしょう。

おわりに

日本国内ではまだ少ない報告しかあがっていませんが、2022年では8名、2023年は4月の段階で98名と累計100名以上が既に日本国内で感染しています。
どのウイルスでもそうですが、目に見えないものに対して、どこまで対策を行うべきか、どれだけ労力を使うのか、会社等ではそういった話になりがちです。
目に見えない脅威だからこそ、徹底して対策を行い、自分と周りの人たちを守れるよう対策を行いましょう。