ロタウイルスに対して知識をつけよう!対策・処置は慎重に【2019年版】

私たちが生活している空間・空気中には、とても多くの細菌やウイルスが蔓延しています。
これは、病院などにある無菌室のように特殊な場所でない限り、避けることはできません。

健康な成人であれば、多くの菌やウイルスに対して免疫を持つので体内に入り込んでも問題ありませんが
免疫力の弱い、もしくは特定の菌・ウイルスに対して免疫持たない子供であれば
感染してしまうことは避けられないでしょう。

ロタウイルスはほとんどの子供が感染してしまうウイルスと言われているウイルスですが、どのようにして防ぎ、対処していくのかを確認していきましょう。

ウイルス

ロタウイルスとは

ロタウイルスとは、急性の胃腸炎を引き起こすウイルスのひとつを指します。
主に幼児期(0〜6歳)に感染し、感染症を引き起こします。

5歳までの急性胃腸炎の40%〜50%はロタウイルスが原因と言われるほど、感染力が高いウイルスです。

一度感染すると体内でロタウイルスに対して抗体を持つようになり、大人になるとほとんどの人が感染しても症状が現れることはなく、また発症したとしても激しい症状になることはほとんどありません。
症状が現れないためロタウイルスに感染したことが分からずに、身近な人や子供に感染させてしまうこともあるので注意が必要でもあります。

症状・検査方法に関して

ロタウイルスの症状は

・激しい嘔吐
・水様性の下痢
・39℃以上の発熱
・腹痛

主な症状は上記の通りとなっており、他にも特徴として「便の色が白色になる」というのも見受けられるので、乳幼児の便を見て判断することもできます。

潜伏期間は1〜3日ととても短く、発症後は症状が2〜7日間ほど続きます。

体が熱を持つのと、下痢によって体内から水分が出てしまうため、脱水症状に陥りやすくなります。少量でも良いので、水分補給は必ず行うようにしましょう。

ロタウイルスの検査方法は、主に医師が流行状況や症状を見て総合的に判断します。
また、便を用いた検査を行うこともあり、こちらは15〜20分ほどで結果を出すことができます。

ロタウイルスの治療方法と予後

ロタウイルスに対して特効薬となるようなものは現在なく、下痢や発熱による脱水症状を防ぐために、水分補給や栄養補給といった対症療法が中心となります。
症状が酷い場合は、病院で点滴を行う必要が出てくることもあるので、症状が酷いと感じた時は注意が必要です。

下痢症状が酷いからといって、下痢止め薬を使用すると回復が遅くなってしまうことがあるため、おすすめはされていません。

ロタウイルスは、発症後1週間程度で回復します。発展途上国では脱水症状による死亡例もありますが、日本を含む先進国では死亡例は少ないと言われています。

熱をはかる

ロタウイルスの流行時期

ロタウイルスの流行時期は、以前であれば12月〜1月頃が感染のピークと言われていましたが
近年の流行時期のピークが3月〜5月頃となっているとも言われています。

11月〜1月頃がノロウイルスの流行ピークなので、それと入れ替わるようにロタウイルスの感染流行時期が始まります。

ロタウイルス感染対策方法

ロタウイルスは、乳幼児期にほとんどの人が感染してしまう感染症で、有効な予防方法はほとんどありません。

対策方法のひとつとしては、感染経路のほとんどは経口感染から広まるため、ロタウイルスの除菌を徹底的に行う必要があります。
特に、感染者の糞便処理は慎重に行う必要があり、汚染場所や汚染した衣類等は手袋・マスクを装着して掴み、次亜塩素酸製剤で除菌を行わなければいけなくなるほどです。アルコール製剤はほとんど効果がないので注意してください。

ロタウイルスは10〜100個とごくわずかな数が体内に入り込むことで、感染症を引き起こします。
大人は感染してもほとんど発症することはありませんが、体内で増殖したウイルスがまたさらに他者へ感染してしまうことがあるので、自身が感染しないように処理は徹底して行いましょう。

ロタウイルスの予防接種に関して

親子の手

ロタウイルスの予防接種は、ロタウイルス対策としてとても有効な対策方法と言えます。

日本では、ロタウイルスの予防接種を2種類のワクチンで行なっており、「ロタリックス」と「ロタッテック」というものを使用して行います。

乳児期(1歳未満)から受けることができるため、なるべく早めに受けて、感染症を発症しないようにしましょう。

予防接種のタイミング

ロタウイルスの予防接種は、生後6ヶ月から受けることができるようになります。
早めに予防接種を受けるにこしたことはありませんが、生後間もない子供は免疫力が低いため、様々なワクチンを同時に摂取しなければいけません。
ロタウイルスのワクチンは飲むタイプの生ワクチンというもので、生ワクチンは1度摂取すると4週間は間隔を空けなければならないので、ワクチン摂取は計画的に行いましょう。また、なるべくは3ヶ月半までに初回の予防接種を受けることが望ましいと言われています。

ロタウイルス予防接種の回数

予防接種の回数は、接種するワクチンによって回数が変わります。
ロタウイルの場合、全部で5回の摂取が必要です。

ロタリックス:計2回

ロタテック:計3回

以上合計で5回行うことを勧められています。

また、ロタリックスは生後24週まで、ロタテックは生後32週以降は接種できなくなってしまいます。
様々な予防接種の予定等あるかとは思いますが、ロタウイルスに感染して重症化しないための処置なので、なるべくは受けるようにしましょう。

ロタウイルスの除菌

ロタウイルスはとても感染力の強いウイルスで、流行時期になると子供を始め多くの方が感染してしまいます。
ロタウイルスによる感染性胃腸炎になると、感染者の便には多くのウイルスが含まれており、もし子供が漏らしてしまったら二次感染を防ぐためにも、丁寧に処理しないといけません。

ロタウイルスの性質上アルコール除菌の効果がほとんどないため、どのような除菌製剤が効果的なのか、適切に対処する必要があります。

除菌剤とロタウイルスの性質

ウイルスというものは様々な性質を持つものが多く、その中でも大きく分けて「エンベロープウイルス」「ノンエンベロープウイルス 」というものに分けられます。

ロタウイルスは「ノンエンベロープウイルス 」というものに分類され、アルコールや熱に強い性質をもつので、一般的な消毒方法では不活化させるのが難しくなっています。

同じノンエンベロープウイルスの仲間であげられる有名なものが「ノロウイルス」です。ノロウイルスのロタウイルスと同じように、アルコール除菌が有効ではないため、流行時期は注意が必要となります。

ロタウイルスを除菌できる次亜塩素酸製剤

除菌剤と聞いて思い浮かぶものといえば「アルコール」と思いますが、上記の通りロタウイルスには有効的ではありません。

ロタウイルスに有効な除菌剤は「次亜塩素酸ナトリウム」を使用した製剤です。

ロタウイルスに対してアルコール除菌が有効的ではない理由は、ウイルスの膜に秘密があります。
ウイルスの構造は「ウイルスの核」「カプシド(核を覆うタンパク質の殻)」があり、エンベロープウイルスにはさらに「エンベロープ」という脂質性の膜が覆われています。

アルコールは油を溶かす作用があるため、脂質性のエンベロープに働きウイルスを不活化させることができます。

ノンエンベロープウイルス の場合、アルコールは作用する脂質性のエンベロープがないので、ウイルスを不活化させることができません。
塩素を使用した除菌製剤の場合、こちらはタンパク質に作用するため「カプシド(核を覆うタンパク質の殻)」を壊し、ウイルスを不活化させることができます。

次亜塩素酸製剤は危険?

次亜塩素酸ナトリウムは、通常高濃度のものを希釈して使用します。
しかし、通常の次亜塩素酸ナトリウムだと濃度の低下が著しく、1ヶ月後にはほとんど使用できない状態まで落ちてしまいます。

高濃度のものを保存し、使用するときに希釈するということを病院では行ったりもしますが、高濃度の次亜塩素酸ナトリウムは衣服や金属を腐食させてしまい、人の肌にも害があるため一般家庭で使用することはオススメできません。

ですが、現在は「安定型次亜塩素酸ナトリウム」というものがあり
こちらは希釈しても濃度が落ちにくい性質を持った、次亜塩素酸ナトリウムです。
パナセアでは、次亜塩素酸ナトリウムを200ppm(0.02%)の濃度で使用しており、人の肌に当たっても水と同程度の刺激性というエビデンスを有しております。

刺激性は水と同程度でも、200ppmという濃度はウイルス・細菌類を除菌できる効果があるため、一般家庭でも使用して安心なものをお届けすることができます。

ロタウイルスの取り扱い

ランドセル

最後に、ロタウイルスに感染してしまった際の取り扱いについて紹介します。

ロタウイルスは感染力は非常に高いため、子供がロタウイルスだと判明したときは学校を休ませるようにしましょう。

下痢や嘔吐がおさまり、体調が回復するまで休養が必要です。しばらく続くときは、近くの病院で医師と相談するのも良いでしょう。

大人の場合も同様に、ロタウイルスに感染して症状が出てしまった際は無理をせず、仕事を休むようにしてください。

最後に

子供は大人と比べて免疫を持っていないことが多く、急な病気で心配になることがあります。
ロタウイルスは下痢も嘔吐もあるため、見ている側としてはとても心配になるでしょう。

ですが、どのような処置が必要なのか、適切な処理方法が分かれば二次感染を防げ対策もとれるようになるので

しっかりとウイルスに対して知識をつけることが重要です。