ホントは危険な水疱瘡!?合併症から後遺症まで引き起こすその危険性とは
水疱瘡といえば、どのようなことをイメージされるでしょうか。
子供がなる病気
大人はかからない
自然に治るもの
そういったイメージをされている方も、少なからずいらっしゃるかと思います。
では、本当にそんなイメージの通りの病気なのか、なぜ子供がなる病気と思われているのか
水疱瘡に関して詳しく見ていきましょう。
水疱瘡とは
水疱瘡はウイルス感染症のひとつで、身体中に赤い発疹が現れる病気です。
水疱瘡の正式な名称は「水痘(すいとう)」と呼ばれています。
感染時期は冬〜春にかけて多くなる傾向にあり、10歳までにはほとんどの方がかかると言われている病気です。
感染力は極めて高く、免疫力がなけれは感染してしまう確率は高くなるでしょう。
1度感染した方には、ほとんどの場合水疱瘡のウイルスに対して免疫力がつくため、その後はかかりにくくなると言われています。
しかし、100%かからないわけではなく、大人でも免疫力が弱っているときに感染してしまうことはあります。
水疱瘡の潜伏期間と症状
水疱瘡のウイルスに感染しても、すぐに発症するわけではありません。水疱瘡の潜伏期間はとても長く、10日〜21日(およそ2、3週間)もの期間潜伏しているのです。
潜伏期間中は、発疹が出る1〜2日前は他人にウイルスが感染してしまう可能性があるため、身近にいる方は注意が必要となるでしょう。
発疹が出てからは1週間はウイルスが感染してしまう危険性があります。
水疱瘡の特徴的な症状として、身体中にかゆみを伴う小さな赤い丘状の発疹が広がります。
その発疹は時間の経過とともに変えていき、おおまかに分けて3段階に見ることができます。
1mm〜4mmほどの赤く盛り上がった発疹(丘疹)
↓
水膨れ状の発疹
↓
かさぶた状になり自然に剥がれる
水疱瘡が身体中に広まる順番もある程度決まっており
頭
↓
胸、お腹、背中
↓
手足
といったように、3日間かけて広まっていきます。
時間をかけて身体中に広まるため、一部は丘疹、一部はかさぶた状といったように入り混じった状態になることもあるでしょう。
発疹以外の症状は
子供の場合
発熱、倦怠感、頭痛、食欲不振、といった症状が現れることがあります。
大人の場合
発熱、倦怠感、その他風邪のような症状が見られる場合があるでしょう。
水疱瘡から起こる合併症
水疱瘡から合併症が引き起こされる原因として、発疹に細菌が付着して起こることが考えられます。
発疹にはかゆみを伴うため発疹をかきむしり、肌が傷つきその場所から細菌が入り込むことによって化膿し、二次感染を起こしてしまうのです。
化膿した場所から細菌が全身に回ると「敗血症」といった合併症を起こすことが考えられます。敗血症は様々な臓器不全を起こしてしまい、4人に1人は亡くなってしまうといったデータも出ています。
他にも「小脳炎」といった、体の運動やバランス機能を司る場所にウイルスが入り込むことによって起こる合併症もあり、めまい、ふらつきなど未地上生活に支障が出てしまうような症状が現れます。
大人、特に喫煙者は「水痘肺炎」というものにかかりやすく、非喫煙者と比べ15倍も発症しやすくなっているのです。
発熱、咳、多呼吸、呼吸困難などといった症状が現れ、死亡する場合もある恐ろしい合併症です。
水疱瘡の感染経路
水疱瘡の感染経路は「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」の3つがあげられます。
いずれも目、鼻、口などからウイルスが入り込む形で感染してしまうのです。
それぞれの場所から入り込んだ水疱瘡のウイルス(正式名称:水痘・帯状疱疹ウイルス)は、入り込んだ先の近くにあるリンパ節で増殖を始めます。
5日ほど経過したところで血液に入り込み、全身に広がっていき、肝臓や脾臓でさらに増殖を始めていきます。最後には皮膚へとたどり着き、発疹が現れるのです。
水疱瘡の感染で気をつけないといけないことは、発疹が水膨れ状になっている際に発疹を潰さないことです。
中にたまっている液体には、水疱瘡のウイルスが含まれているため発疹が潰れて他人が触ってしまうと、感染してしまう危険性があります。
かゆい症状もあると思いますが、なるべく肌を傷つけないように心がけ、発疹を潰さないようにしましょう。
子供がどうしてもかいてしまうときは、爪を切って短くしてあげるのも良いでしょう。
水疱瘡の治療・予防方法
水疱瘡の治療方法として「抗ウイルス薬」「塗り薬」が処方されることがあります。
抗ウイルス薬は飲み薬として処方され、服用すると症状の緩和や発疹が早くかさぶたとなり剥がれ落ちるようになります。
抗ウイルス薬は発疹が出て48時間以内に服用すると効果が出るため、早めに病院へ行き、早めに薬を服用すると良いでしょう。
また、抗ウイルス薬は味に苦味があるため、子供が飲むときは薬服用ゼリーに混ぜるなど工夫することで飲みやすくしてあげてください。
塗り薬に関しては、治療よりも「かゆみ止め」や「二次感染防止」の意味があり、それぞれで2種類渡されることもあります。
使用する差は、指ではなく清潔な綿棒などを使うことで、細菌に感染することなく薬を塗ることができるでしょう。
水疱瘡の症状が軽い時は、薬を使わずに自然治癒を行うこともあるので、医師と相談してどのようにしていくか決めると良いかと思います。
水疱瘡を予防するときは、早めに予防接種を行うと免疫がつき予防することができます。
2014年から水疱瘡の予防接種は定期接種となっており、1回目は1〜3歳、2回目は1回目から3ヶ月以上あけて3歳までに行いましょう。
予防接種を2回行うことで、90%以上の方が抗体を持つことができ、20年間は体内に残ることが確認されています。
妊婦・妊娠予定の方について
妊娠している時に水疱瘡に感染してしまうと、症状が重症化してしまう危険性があり、妊娠初期は流産、中期は先天性水痘症候群、後期は水痘肺炎といったものになることがあります。
妊娠中の水疱瘡は自身だけではなく、お腹の中にいる赤ちゃんにまで影響があるため、流行時期などは注意が必要です。
予防接種による感染予防も妊娠中のに方は勧められていません。予防接種は予防を行うウイルスの性質を弱めたものを、体に入れることによって抗体をつくりますが、妊婦の場合赤ちゃんに影響する可能性があるからです。
風疹など他の予防接種同様に、接種後2ヶ月以上は間をあけて妊娠することが望ましいとされています。
また自分が妊娠している時に、家族が予防接種を受けることは何も問題ありません。
予防接種で使用するウイルスには感染する力がないため、他者にうつらないからです。
それよりも、外で感染して家の中に水疱瘡のウイルスを持ち込んでくる方が危険なため、予防接種は受けてもらいましょう。
家での過ごし方について
水疱瘡にかかってしまったときは、風邪と同じように家で安静にするようにしてください。
熱の症状が出ているときは、脱水症状を起こさないように水分補給を行いましょう。
口腔内にも発疹が出ているときは、なるべく刺激を与えないように「やわらかい食べ物」「薄味」「冷まして食べる」などを行うと、食べやすくなります。
お風呂の時は、シャワーで短時間で済ませるようにすると良いでしょう。
体が温まってしまうと、かゆみが現れてしまうからです。石鹸も、泡でやさしく洗うと発疹も潰れないので安心です。
体を拭くときも同様に、優しく押し当てるように拭いてください。
湯船に関しては、家族に感染してしまう可能性があるため、医師の許可がおりてから入るようにしましょう。
最も注意しないといけないことは、市販の薬をむやみに使用しないことです。
水疱瘡に感染している時に「アスピリン」や「アスピリンに近い効果のある解熱剤」を使用すると「ライ症候群」というものを発症し、最悪死に至ることもあります。
自己判断せずに、医師と相談して薬を処方してもらうようにしましょう。
水疱瘡の跡を残さないためには
水疱瘡に感染してしまうと、跡が残って皮膚がデコボコになったり色素が沈着してしまうことがあります。女性の場合、このことはどうしても気になるのではないでしょうか。
子供の場合新陳代謝が高いため、後になることはほとんどありません。
水疱瘡の跡を残さないようにするためには、当たり前ですが何より水疱瘡にかからないことが大切です。
かかったとしても、早めに抗ウイルス薬を使用することで肌に対してのダメージを抑えることが可能となります。
同時に、発疹をなるべく潰さないようにしておきましょう。
水疱瘡にならないためには、ウイルスを除菌することも重要です。
水疱瘡のウイルスは消毒薬に弱い性質を持ち、アルコールや次亜塩素酸で除菌を行うことができます。
流行時期や、身近に水疱瘡の感染者がいるときは除菌を行うと良いでしょう。
帯状疱疹との関係
帯状疱疹とは、名前の通り帯状に疱疹ができることを指します。
帯状疱疹の原因は水疱瘡と同じウイルスから発症し、子供より大人の方が発症するといわれています。
帯状疱疹ができる流れとして
子供の頃に水疱瘡にかかる→神経などにウイルスがそのまま潜む→加齢、ストレスなどで免疫力が低下し発症
という流れで発疹が現れてしまうのです。
子供のように全身に現れない理由は、神経を伝ってウイルスが流れるため、帯状に現れてしまいます。
治療方法は基本的に水疱瘡と同じですが、神経にウイルスが入り込んでいるため、目や耳など神経につながった箇所に障害・後遺症を残してしまうこともあります。
なるべく早めに病院へ行き、診察を行うようにしましょう。
水疱瘡と同様に、免疫を持たない方に感染してしまうので、症状が出ている時は子供や妊婦との接触は控えるようにしてください。
最後に
水疱瘡に関して紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
症状・合併症・予防法などをみていきましたが、けして軽いだけのものではないということが、分かっていただけたかと思います。
感染力の高い水疱瘡ですが、しっかりと対処し、病院へ行って医師と相談することがとても大切となります。
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