本当は怖いおたふく風邪!?一度かかっても安心できないその感染力とは?!【2019年版】

おたふく

多くの方が1度はかかったことがあると言われている「おたふく風邪」

顔がまあるく膨らむことは分かっているけど、体の中ではどのようなことが起きているのでしょうか。

そして、どのような病原菌が原因でこのようなことが起きているのか、しっかりと確認しましょう。

特に、おたふく風邪に免疫を持っていない子供がいる方は必見です。

おたふく風邪とは

顔を抑える男性

おたふく風邪は、正式には「流行性耳下腺炎」と呼び、「ムンプスウイルス」というものに感染することによる起こる感染症のことを指します。

おたふく風邪は顔全体が腫れているのではなく、耳の下から顎の下にかけて腫れており、その腫れ方が「おたふく面」のように見えるため「おたふく風邪」と呼ばれるようになりました。

主におたふく風邪を発症するのは3〜10歳くらいの子供に多く、ほとんどの人は子供の頃にかかるとされています。そして、その後は免疫ができるためほとんどかかることはありません。

おたふく風邪の症状

おたふく風邪は、ムンプスウイルス感染後およそ18日前後の潜伏期間の後に症状が現れます。

おたふく風邪発症後は、咳、鼻水、発熱、耳の唾液腺である耳下腺〜顎下腺にかけての腫れの症状があります。

特徴的な腫れの症状はまるでおたふく面のように顔が腫れますが、稀に顔の片方部分だけが腫れることもあるので、「片方だけだからおたふく風邪じゃない」と判断はしないようにしましょう。

おたふく風邪のときに顔が腫れるのは、体内に入り込んだウイルスを免疫機能が排除しようとする作用が働き、炎症を起こしてしまうため現れるとのことです。

この症状が現れると口が開けづらくなるため、子供が食事や会話をつらそうにしていたらおたふく風邪に感染している可能性があるので、早めに病院で診察を行うようにしてください。

顔の腫れは1週間〜10日ほどで、ほとんどの場合治りますが、まれにそれ以上の時間がかかることもあります。

また、おたふく風邪は合併症を引き起こすこともあるので、注意が必要です。

おたふく風邪による合併症

咳がひどい女性

おたふく風邪は、以下の合併症を引き起こす危険性があります。

・無菌性髄膜炎
→主に38〜40度の発熱、悪心、嘔吐、下痢、腹痛を引き起こす症状。
項部硬直などを引き起こす場合もある。

・脳炎
→ウイルスが脳に直接、またはそのた物質が炎症を誘発してしまうこと。
発熱、頭痛、痙攣発作、眠気、痺れ、錯乱を起こすこともある。

・感音性難聴
→耳の中の音を感知する蝸牛や神経に以上が起きてしまうことによる難聴
片耳や、両耳の場合があり、あまり回復することはない。

・精巣炎
→精巣じたいに炎症が発症してしまうことを指します。
精巣の腫れ、発熱、痛み、吐き気、頭痛、筋肉痛
を引き起こしてしまう症状です。

・膵炎
→膵臓に炎症が起こり、みぞおちからヘソの下あたりに痛みが出る症状です。
吐き気、嘔吐、お腹の張り等の症状が現れます。

合併症は危険な症状のものが多いため、おたふく風邪にならないよう予防することが重要です。

おたふく風邪にかかったときの取り扱い

おたふく風邪は感染力がとても強いため、感染しているときは、学校や会社など、人が多く密集している場所には行かないようにしましょう。

おたふく風邪の患者の方は、他人にうつさないように対応しないといけません。

幼稚園〜大学生の学生の方は、学校保健安全法というものに従い、出席を停止しましょう。

おたふく風邪の場合、症状始まってから5日以上が経過している状態で、かつ体の状態が良好なるまでは感染の危険性があるため学校への出席は控えるようにしてください。

社会人の場合、学生とは違って安全法などはありませんが、会社の規則に沿って出勤の停止などを行うようにしてください。

上司や責任者、専属の医師などがいれば必ず相談して判断を仰ぐようにしましょう。

おたふく風邪の感染力

細菌

おたふく風邪の感染力はとても強く、約2〜3週間ある潜伏期間中の発症7日前から、発症後5日間は他人へ感染することがあります。

特に、顔が腫れる1日前から腫れた3日後は感染力が最も高い時期なため、他者との接触は極力控えるようにしましょう。

感染は飛沫感染、接触感染と2つの方法で広がっていくため、まだおたふく風邪にかかっていない家族がいたら、注意してください。

おたふく風邪に感染した人の中には、症状がはっきりしない方もいますが、このような場合でも同じように強い感染力を持っています。

大人への感染

おたふく風邪は、大人になって感染してしまうと日常生活に支障をきたしてしまう合併症を起こしてしまうことがあります。

合併症のひとつに「難聴」がありますが、大人の場合さらに「めまい」「耳鳴り」といった症状がさらに合わさって起こる危険性もあるのです。

さらに、成人した男性は精巣炎、女性は卵巣炎といった症状が起こることもあり、激しい痛みを伴う症状にみまわれます。

このとき、女性の場合不妊症になることはほとんどありませんが、男性は精子を作る機能が著しく低下することもあり、不妊症になるなんてことも考えられます。

繰り返し感染しているときは

おたふく風邪は一度感染することで、体の中でムンプスウイルスに対して免疫をつけるため、その後はほとんどの場合ふたたびおたふく風邪にかかることはありません。

しかしまれに、年に数回繰り返しておたふく風邪のような症状にかかることもあります。このようなときは「反復性耳下腺炎」にかかっているかもしれません。

反復性耳下腺炎は、おたふく風邪と比べて痛みや発熱の度合いは低くなっていますが、耳下腺が腫れてしまうためおたふく風邪になってしまっているような見た目になるのが特徴です。

反復性耳下腺炎は、耳下腺の先天的異常、アレルギー、ウイルスなど様々なことが原因で繰り返し感染してしまいます。また、虫歯や口腔内の雑菌によるものが原因の場合もあるので、口腔ケアは日頃からしっかりと行いましょう。

おたふく風邪の治療・予防方法

注射器

現在のところ、おたふく風邪の原因となっている「ムンプスウイルス」に対して効果的な治療方法はなく、患者の症状を和らげるように解熱剤や痛み止めなどを処方する、対症療法が主に行われています。
病院などでは、脱水症状にならないように点滴で処置が行われることもあります。

おたふく風邪の効果的な予防方法は、予防接種による「ワクチン」を投与することが効果的な対策となっているのです。

予防接種を行うことで、90%前後の人に免疫抗体ができたという報告も出ています。反面、数%の人はワクチン接種後に軽度の発熱や耳下腺の腫れが見られることもあるようです。

おたふく風邪患者のいる家庭での注意点

家庭でおたふく風邪患者の看病を行うときは、食事に注意しましょう。

耳下腺は唾液を分泌させる機能があるため、「酸っぱいもの」や「よく噛んで食べるもの」など、唾液を分泌させてしまうもので刺激しないようにしてください。

うどん、おかゆ、ゼリーなどの柔らかいものを選んで、栄養を体に摂り入れましょう。

入浴などは、熱が落ち着いてきて体調が回復してから入るようにしてください。

家庭内でも接触感染、飛沫感染で広まらないようにマスクなどをしておくのも良いでしょう。

おたふく風邪のQ&A

疑問

Q.ワクチンは何歳から接種できますか?
A.1歳から接種することができます。成人でも可能です。

Q.大人でも予防接種をする必要はあるの?
A.1回では不十分なこともあるので、子供の頃に
受けたとしても大人になってからでも良いので2回目の接種を行いましょう。

Q.おたふく風邪はどこで診察を受けられる?
A.小児科や耳鼻咽喉科で診察を受けられます。

Q.片方しか腫れないときは反復性耳下腺炎?
A.おたふく風邪でも片方しか腫れないことがあるので
一概に判断することはできません。

Q.ムンプスウイルスは除菌することはできる?
A.消毒への抵抗性が低いため、アルコール、次亜塩素酸ナトリウム
による消毒が可能となっています。

まとめ

おたふく風邪はほとんどの方が1度は感染する病気ではありますが、

だからと言って安心してはいけません。

長く続く症状や、合併症による後遺症を引き起こしかねない危険性を持つ病気なのです。

予防接種や、日頃から除菌などで対策を行い

おたふく風邪を引き寄せない生活を心がけましょう。

 

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